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2007/11/22

思い出

今年の夏、姉のマンションの廊下に1匹のくわがたが舞い込んだ。

ミヤマクワガタの♂。

裏の国有林から飛んできたらしい彼は、触覚が1本・足先が1本足りなかった。

かなり元気が無い。 ほとんど動こうとしない。 

山に返しに行こうかと思ったが、「このままではだめかも・・・」と思い、せめて体力が回復するまでと決め、我が家に連れて帰った。

くわがたなど子供の時以来で、どうしていたかも思い出せなかったぐらいだが、普段釣りでもお世話になっている I本 さんのお陰で、なんとなく必要なものを思い出した。

次の日には、ある程度セッティングされた飼育ケースの中に彼が入ることが出来た。 (マットのガス抜きを忘れた気がする・・・)

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最初のうちは、状況が判らずうろうろしていた彼も、枯葉の下に隠れてばかりいたが、2・3日目からはエサ台に上るようになり、10日ぐらい経った頃にはお腹も膨れ、傍若無人振りを発揮するようになった。 エサ台が傾くほど持ち上げるわ、木をつたって飼育ケースに挟み込んであるハエ除けシートに裏返しで上りまくるわ、エサが少なくなると催促するかのように飼育ケースの壁にへばりつくわで、誰に似たのか、発見された時がウソの様であった。

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こちらとしても、ここまで行くと情が移るというもの。 最初、猛反対していた家族が様子を伺うほどになり、家族入りが決定した。

家族となれば、名前も必要。 考えていた時に、たまたま来ていた親戚の名前を頂戴した。

彼の名前は、“ちゅうあん君” に決定した。

名前が決まり、彼が喜んだ訳でもないと思うが、更なる傍若無人振りを数ヶ月に亘って見せ付けられることになってしまった。

彼はとんでもないクライマーだった。 木にも普通に真っ直ぐには登らない。 少しでも距離を稼ぐかのように、周りながら上っていく、割り箸などで作った彼の体の幅ギリギリの橋(ちょっと意地悪した)も、難なく渡る。 降りるときは、後ろ足だけで全体重を支え、逆ぶら下がり健康機状態で最後は枯葉の上にダイブする。 無理な高さだと思った時は、腹筋で元に戻り、降りてくる。 彼が人間で、ロッククライマーならかなりのハイレベルになっていた気がする。

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彼はまた、なかなかの芸術家でもあった。 こちらが良かれと思って少しずつ買ってきては入れた枯葉や木の表皮、ディスプレー用(って言っても100均のもの)の木々を見栄え良くセッティングしても、気に入らないのか5分で直してしまう才能を持っていた。

それはそれで楽しませてくれた。 毎日違うことをして、みんなを癒してくれた。

夏を過ぎ、10月に入っても彼は毎日暴れまくった。

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先述の I本氏に、「たぶん秋にはコロッと行くよ。」 と、言われていたことも何処吹く風状態だった。

しかし、10月も7日頃から、彼に衰えが見えてきた。 木に登っても、落ちやすくなってきた。 それでも彼は、毎日家族みんなを楽しませるかの様に木に登り続けた。

でも、とうとうその日がやってきた。 お別れの日・・・。

10月20日、釣りから帰ってきた僕に姉が言った。

「ちゅうあん・・・、動かないよ。」

あわてて飼育ケースのふたを取り、彼を探す。

見当たらないので、枯葉を退けていくと彼を見つけた。

そっと手を伸ばし、彼を掴む。 いつもなら手を伸ばしただけで、ゴキブリ並みのスピードで逃げて行く彼は、難なく僕に掴まった。掌に載せても動かない。 顔を近づけても、全く動く気配が無い・・・。

諦めきれない僕は、彼を白い紙の上において、ずっと見ていたが30分経っても、1時間が過ぎても彼は二度と動かなかった。

「もう、だめか・・・」

そう思った瞬間、辛かった。 悲しかったというより、辛かった。 この気持ちは、親父が亡くなった時と同じぐらいだった。 親父に失礼な気もするが、身近な者が逝くのは本当に辛かった。

最後までお腹を地に着けずに踏ん張ったまま亡くなった彼の姿は、最後に何かを教えてくれた気がして、ずっと考えてた。

同時に、もっと早い段階で自然の中に返してやれば、もう少しでも、ほんのチョットでも長生き出来たかも知れない。 そう考えると、本当に辛かった。 申し訳なかった。

次の日の朝起きた時に、もう一度彼を包む白い紙の中を確認したが、変わらなかった。 お昼を過ぎて、庭に彼にお墓を造った。手を合わせて、ありがとうを言った。

姉が飾ってくれた花は、1週間を過ぎても綺麗に咲いていた。

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情けなくも何日かは気がふさいでいたが、忙しさもあってか、少しずついつもの自分に戻れた。

でも、ほとんど毎日考える。

こんな小さな生き物に大事なことを教えて貰ったありがたみを・・・。

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くわがた」カテゴリの記事

コメント

お世話になっておりまーす。
先日、飼っていたメダカ三匹の内、二匹が死んでしまいました。

三回目の冬は越せず・・・・
残りは、頑張って冬を越せる様にと祈ってます。

追伸
土曜の夕方に近場へ、Fishing。
河川にも、サヨリが入っており、バイトが有りました。
水門近くで、人間の太もも位のシーバスが・・
結果は、・・・・・でした。(泣)


投稿: 翔パパ | 2007/11/26 10:06

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